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※トルストイ 戦争と平和 [本・コミック]

終着駅を観てトルストイに興味を持ったので
中学1年以来中断していた「戦争と平和」と「アンナカレーニナ」を読みました。
体調が良くない時期があったので、じっくり読書には良い機会でした。

概してロシア小説は、全てに細かく長々と描写するようで、
誰かが話しているとき、誰それはどう考えているんだろう・・と
読み手が悩む必要はありませんし、周りのもの、草花や小さな置物に至るまで、
まわりの情景が浮かぶように丁寧に書きこんであります。
つまり作者の思い通り。勝手な想像は許されないのですね^^
そして議論が好き。3人集まれば、必ず議論が始まり、政治のことやら狩りのことまで
深夜、2時すぎでも話し込んでいます。
それを全て書き込んでいるので非常に密度が濃く、ページ数も増えていくのですね。

読みはじめは、これらが煩わしく感じたのですが、
読み進んでいくと、ほかの小説がいかに説明不足なんだろうとか思ったりします^^
まさに、はまります。でも、一気読みはムリ^^;

「戦争と平和」

長編です。登場人物が多く、名前も似ていて覚えにくいので1巻目くらいは
つまらないかも。。ここで挫折しなければ、面白くなってきます。

19世紀初めの頃のナポレオンのロシア侵攻に抵抗するロシア民族
従軍兵ひとりひとりの気持ちや戦争の描写も
恐ろしいくらい緻密に書き込んであるのはもちろん、
当時の貴族社会の複雑な人間関係や財産の問題に絡めて
青年達の理想や、夢や、恋や・・そして挫折。
それぞれの心の動きも細かに丁寧に描かれています。

誘惑に弱く、放蕩の限りを尽くしていた青年ピエールが、莫大な財産を相続する。
その財産を狙って彼に近づく人々。結婚したエレンの素行の悪さ、虚栄心に、
心がズタズタになるほど悩まされ、フリーメイソンに入るが安らぎが得られない。
全てから逃れる為に、身を隠して前線に行き、
そこで、捕虜になり、死に直面する過酷な生活を送ったことや、
そこで聖人のような人と出会ったことで、『彼がするべきこと』を見つける。
このピエールがトルストイの分身らしいのですが
ピエールの目と言葉を通して、トルストイの戦争観や思想を語っているようです。

1回読むくらいでは理解することは難しいですが、
読み進むほど、続きが気になる面白い小説です。少々飛ばして読んでも
たまには文豪の小説を読むのも良いんじゃないかな^^;

「アンナ・カレーニナ」

こちらは、戦争と平和に比べると、登場人物も限られているし、
かなりわかりやすい?かもです。
ロシアの貴族社会を舞台に
美貌でエレガントな伯爵夫人アンナと、青年将校ヴロンスキーの
不倫の末に破滅に向かう恋と
行き違いはあったが、互いを理解し希望に向かうキチイとリョービンの恋
この二つの恋が平行して語られます。
それぞれの心の細かい動き、感情の揺れを
またまた丁寧に綿密に、ほとんどしつこいくらい書いてあるので
だんだん、飽きてくるほど。
こんなに悶々とした苦しい恋の経験がないせいかもしれないけど
読んでいてかなりイライラするキャラ達です。

リョービンこそがトルストイの思想を代弁してると解説で読んだので
どちらかというと、アンナは主人公じゃないと思うのですが、
どうして題名がアンナ・カレーニナなのかな?


★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。、:*:。.:*:・'゜
このあと、オードリー・ヘップバーン主演の「戦争と平和」を観ましたが
ピエールとナターシャの恋にスポットを当ててあるだけで、奥行きがない感じがしました。
でも、ナポレオンがモスクワを占領してみたら、みんな逃げてしまって、誰もいなかった場面・・
食料もなく、間近に凍えるように寒いロシアの冬到来で、木の葉がヒューッっと。
ナポレオン寂しすぎる~~w

・・こんな広大なロシアに侵攻して占領できると思ったナポレオンも考えが甘かったね^^

キーラ・ナイトレイとジュード・ロウ出演で、
アンナ・カレーニナが2012年に公開されるらしいので、楽しみです。



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